時間と場所でカンタン検索!外遊びレシピ
外遊びで子どもが興味津々になるのが身近にある草花や樹木。花を摘んだりドングリを集めたりと手軽に楽しめるのも魅力ですよね。
そこで今回は、外遊びがもっと楽しくなる草花を活用した笛の作り方を千葉大学環境健康フィールド科学センターの野田勝二先生に教えてもらいました。どれも公園などですぐに見つけられて簡単に作れるものばかり。楽しい音が鳴る笛を親子で楽しんでみましょう!
春になるとあちこちで愛らしい黄色い花を咲かせる「タンポポ」。ストローのように空洞になっている茎を使えば、小さな子どもでも簡単に笛を作ることができます。
(1)(2)茎から根元と花を折り取って6〜7cm程の長さにしましょう。(3)どちら側をくわえてもOKですが、くわえる側を軽く指でしごいて柔らかくすると鳴りやすくなります。(4)口を少しすぼめて息を吹き込めば、プープーとかわいい音が鳴りますよ。
★先生からのアドバイス
「茎を適度に柔らかくするのが上手に鳴らすコツ。また、くわえる場所を浅くしたり、深くしたりすると音の高さが変わるのもおもしろいですよね。つぼみのものでも綿毛になったものでも笛にできるので、長い時期を通して遊べるのも魅力です」
春になると赤紫色の小さな花を咲かせる「カラスノエンドウ」。夏に向けて小さなエンドウマメに似た実をつけますが、この実も少しの作業で笛にして遊ぶことができます。
(1)大きく太った実を選び、茎から外して茎側の2分の5程を折り取ります。(2)(3)残った部分を軽く押すとサヤが裂けるので中のマメを取り除きましょう。(4)おしり側を軽くくわえて息を吹き込むと、高い音色でピーピーと鳴ります。
★先生からのアドバイス
「成熟しすぎて黒くなっているとサヤが硬いのでうまく鳴りません。また、緑色のしっかりさやが丸くなったものが成功しやすいのですが、太すぎてもうまくいかないこともありますよ。ちなみに、カラスノエンドウの実はよく洗って油炒めにすると食べられます」
ドングリを実らせる木「マテバシイ」も公園などで見かけることが多い身近な樹木。この丈夫でハリがある葉を使えば、簡単に楽しい音を鳴らせる笛を作ることができます。割り箸やえんぴつ、はさみ、セロハンテープを用意しましょう。
(1)葉を木から取って根本と先をハサミで切り落とします。(2)(3)つるつるした表側を内側にして割り箸やえんぴつに巻き、最後にセロハンテープで固定します。(4)片側を軽く潰して息を吹き込めば、低い音でブーブーと鳴りますよ。
★先生からのアドバイス
「なるべくしっかりした硬い葉で作るのが成功のコツです。春になると新しい葉が出てきますが、柔らかくて難しいかもしれません。また、マテバシイに似たほかの葉でも作れますが、毒があるものもあるので種類をきちんと確かめてください」
春や夏はもちろん、1年を通して楽しめるが草花遊びの魅力です。外にお出でかけしたら親子で遊べる草花を探してみましょう。
草花遊びに慣れてきたら、いろいろ考えながら上級向けにチャレンジするのもおもしろいですよ。子どもと協力しながら作り上げると達成感もひとしおです!
野田先生が学生向け講義や親子向けワークショップでも使うことがあるという「シュロ葉のバッタ」がこちら。「講義では、作り方をすぐには教えず構造などを考えるところから始めます。草花には個体差があるので、最初に成功したとしても次はうまくできないことも。そのため、子どもが自分で考えて工夫する力を伸ばすことにも繋がりますよ」
大人の方がうまくできるとは限らないのも草花遊び魅力。親子でいろいろ試してみてコミュニケーションを深めながら楽しんでくださいね。
(プロフィール)
野田 勝二先生
千葉大学環境健康フィールド科学センター 助教。
果樹園芸学、健康機能園芸学を専門とし、園芸を健康や街づくりに活用する研究を行う。
野の草花を使ったクラフトワークショップなどの講師も務める。